国際私法学会の概要(2011年5月〜2014年5月) (運営体制および活動の概要を含む) (2014年6月まで掲載されていたもの)
■ 学会の概要

 国際私法学会は「国際私法の研究及びその研究者相互の協力を推進し、あわせて外国の学界との連絡及び協力を図ることを目的」(学会規約第3条)として、1949年11月4日に創立された学術団体です。したがって「国際私法またはこれに関連する分野の研究に従事する者」を主要な会員としますが(規約第5条1号)、大学などの研究教育機関に所属する者に加え、内外諸国の関連法規および国際条約等の解釈・適用、さらには立法等にも携わる裁判官、弁護士、企業法務従事者など法曹実務に携わる人材も多く参加しております。

 周知のように、研究者会員と実務家会員との間の交流はこんにち常例となっております。研究教育職に従事する会員であっても、法務省法制審議会(国際私法分野と関連する複数の部会)の委員あるいは幹事として国際私法関係の立法作業に自ら参画したり、渉外家事事件専門の家事調停委員・参与員の資格で各地の家庭裁判所における事件の処理に直接に関わったりした経験を持つ者も、少なくありません。さらに、会員の中からは、国際私法の統一を目指す政府間機関であるハーグ国際私法会議へ、日本政府代表として派遣され、この会議の副議長を勤められる方も少なからず居られます。

 国際学術交流の局面では、古くから米国の学者との関係が深く、ハーヴァード大学のヴァン・メーレン教授などはこの学会の名誉会員に就任された方もいました。その他、独・仏・伊の学者たちとはもとより、近頃は、韓国・中国の学者との交流も密になり、お互いに国際シンポジウムを開催し合うまでになっております。このほか、諸外国の学会や大学等で講義や講演を行った経験を有する会員も次第に増えてきております。

 以上の概観が示すように、本学会は、国際私法分野の学術研究者を中核とする団体ですが、実務の視点をも十分に取り込み、かつ国際的な交流も活発な、国際的水準を反映した研究者の集まりです。

 2012年5月13日現在の会員総数は260名(維持会員2団体)です。

 この学会は、関連する他の分野の学会とも密接な関係を維持しております。わが国の歴史をみると、かつて国際私法分野の研究者は、わが国でも古い歴史を有する国際法学会(1897年(明治30年)創立)に所属しておりました。そうした草創期の国際私法研究者が、国際私法分野の一層の研究の進展を目指して、国際法学会から発展的に独立して国際私法学会を設立したという経緯が示すように、本学会と国際法学会との間にはこんにちでもなお極めて密接な関係が維持されております。今日でも本学会の過半数を超える会員は同時に国際法学会の会員になっており、そちらでも重要な役割を、学術研究のみならず、学会運営に関しても、さまざまな形で担っております。このことは、国際法学会創立の立役者で、長く同学会の理事長を勤められた、故山田三良(やまだ・さぶろう)博士(当時・東京帝国大学法科大学助教授、のち日本学士院長)自らが、国際法というよりは国際私法の学者であったという事実によってもよく示されております。その後も国際私法分野を代表する複数の研究者が国際法学会の運営委員会(常務理事会に相当する機関))の重要な一翼を常に担い続け、山田博士のほか、(故)江川英文博士、(故)池原季雄博士、火禾場準一教授(一橋大学名誉教授)、櫻田嘉章教授(京都大学名誉教授)はいずれも国際法学会の理事長に就任されておりました。国際法学会の機関誌である国際法外交雑誌の編集・執筆に国際私法の研究者が恒常的に深く係わっており、国際私法の研究成果がこの雑誌にも掲載されることが少なくありません。

■ 学会の運営体制および活動の概要(2002年−)

 学会の最高決定機関は16名の理事から成る理事会であり、理事長および15名の理 事が執行に当たっております。学会運営の監査は会員の中から選ばれた2名の監事が 行い、このホームページは学会のホームページ運営委員会の下で、運営されております。

 恒常的な学会の活動としては、創立以来、開催されている研究 大会があります。2011年度までは毎年2回、5月及び10月に開催されていましたが、 2012年度からは年1回春に開催されることになりました。この企画・運営を司るのは研究企画委員会(委員長・佐野 寛 教授)です。最近の実績と 将来計画は、次のページを参照ください。

 たまたま1998年は、日本の国際私法の中核をなす「法例」が制定・施行された年 (1898年・明治31年)から数えてちょうど100年目になり、それはまた、この学会創 立50周年の一年前にも当たっていました。これを契機に、学会の一層の発展を願って、法例制定・施行百周年記念事業委員会(委員長・松岡博教授)を設置し、1998年 の秋には国際家族法の、翌年1999年の春には国際取引法の、それぞれ国際シンポジウムが企画・実施されました。詳しくは学会の活動のページをご覧ください。

国際私法学会執行部(2011年5月16日〜2014年5月31日)

  ◇ 役員会

理事長 山内 惟介
理事 青木 清、岡野 祐子、奥田 安弘、木棚 照一、国友 明彦、
河野 俊行、櫻田 嘉章、佐藤 やよひ、佐野 寛、多喜  寛、
道垣内 正人、中野 俊一郎、野村 美明、早川 眞一郎、
山内 惟介、横山 潤
監事 出口 耕自、渡邊 惺之
会計主任 道垣内 正人

  ◇ 研究企画委員会

委員長 佐野 寛
副委員長 早川眞一郎
委員 神前 禎、實川 和子、多田 望、西谷 祐子、古田 啓昌、増田 史子、横溝 大

  ◇  年報編集委員会

編集代表 野村 美明
副委員長 織田 有基子、高杉 直
編集小委員会 織田 有基子、青木 清、高橋 宏司、竹下 啓介、林 貴美
レフェリー小委員会 高杉 直、岡野 祐子、北澤 安紀、佐藤 文彦
アドバイザー 簗瀬 捨治、横山 潤
年報連絡用メールアドレス

  ◇  ホームページ運営委員会

委員長 河野 俊行
副委員長 山田 恒久
委員 植松 真生、釜谷 真史、齋藤 彰、申 美穂、長田 真里、樋爪 誠、森下哲朗

  ◇  学会改革検討委員会

活動期間:2011年6月24日〜2011年10月10日
委員長 道垣内 正人
副委員長 中野 俊一郎
職務上委員 佐野 寛、野村 美明、河野俊行
委員 神前 禎、北澤 安紀、高杉 直、中西 康、楢普@みどり、西谷 祐子、
横溝 大

  ◇ 基本情報

事務局所在地
(2011年5月現在)
〒192-0393 東京都八王子市東中野742−1
    中央大学法学部研究室内 
            
設立 1949年
会員数
(2012年5月13日現在)
個人会員260名、維持会員2団体
研究大会 1年に1回、春に開催

国際私法学会規約